ITパスポートに合格するためには、計画的に勉強時間を確保することが大切です。しかし「どれくらい勉強すれば合格できるの?」「忙しくて勉強時間を確保できない」と悩んでいる方も多いでしょう。
そこで、この記事ではITパスポートに必要な勉強時間について解説します。無理なく勉強時間を作るコツや、やってはいけない勉強法も紹介するので、ITパスポートに興味がある方は最後までご覧ください。
ITパスポートに必要な勉強時間

合格に必要な勉強時間は、初心者〜上級者で大きく異なります。
- 初心者|150時間程度
- 中級者|100時間程度
- 上級者|50時間程度
初心者|150時間程度
ITの知識がほとんどない方や、パソコンの基本操作しか経験がない方は、150時間程度の勉強時間を見込んでおきましょう。初心者の場合、ITの基礎的な概念から学ぶ必要があります。
ハードウェアとソフトウェアの違い、ネットワークの仕組みなど、基本的な知識がないと、試験問題を読んでも何を問われているかが理解できません。150時間は決して短くありませんが、毎日1時間勉強すれば約5ヶ月で学習を終えられます。
中級者|100時間程度
日常的にパソコンを使って業務をしている方や、IT用語にある程度なじみがある方であれば、100時間程度で合格を目指せます。Excelやメールだけでなく、クラウドサービスや社内システムを扱う機会がある場合、基本的なIT用語はすでに理解しているでしょう。
初心者は用語の意味から覚える必要がありますが、中級者であれば大まかな内容を把握しながら読み進められるため、効率よく全体像をつかめます。
上級者|50時間程度
IT業界での実務経験がある方であれば、ITパスポートの出題範囲は一通り理解できているでしょう。このような上級者の場合は、知識の抜け漏れを確認しながら復習を進めることで、50時間程度の学習でも十分に合格を狙えます。
しかし、試験ではマネジメントや経営戦略に関する問題も出題されるため、油断せずに学習時間を確保することが大切です。
ITパスポートの分野別勉強時間

ITパスポートは3つの分野に分かれており、それぞれに必要な勉強時間は次の通りです。
- ストラテジ系|50時間程度
- マネジメント系|30時間程度
- テクノロジ系|70時間程度
ストラテジ系|50時間程度
ストラテジ系は、企業の経営戦略や法務に関する分野です。知的財産権の取り扱いや経営分析手法の考え方、IT利活用の動向などが問われます。
経営層や法務部でなければ、経営視点やリスク管理の考え方に触れる機会が少ないため、苦手意識を持つ方も多いでしょう。そのため、50時間程度の勉強時間を確保し、ニュースや普段の業務と関連付けながら理解を深めるのがおすすめです。
マネジメント系|30時間程度
マネジメント系は、プロジェクト管理や開発プロセスに関する分野です。プロジェクトマネジメントの手法やシステム監査の意義、アジャイルをはじめとする代表的な開発手法について問われます。
IT業界で働いている方にとってはなじみがある内容ですが、他業界や学生の方にとってはイメージしづらいかもしれません。学習時間の目安は30時間と比較的少ないですが、実務経験がない方は焦らず、用語や手順を一つひとつ整理しながら覚えていきましょう。
テクノロジ系|70時間程度
テクノロジ系はITの基礎技術を幅広く扱う分野で、最も出題数の多い領域となっています。プログラミング言語の種類やコンピュータの基本構成、情報セキュリティの考え方といった内容について問われます。
IT業界で働いている方なら身近な分野もあるかもしれませんが、出題範囲が広いため、十分な勉強時間を確保することが大切です。たとえば、プログラマーであればプログラミング言語には慣れていても、リスク管理や情報セキュリティ組織といった内容については知識がないということもあります。
初心者の方にとっては、専門用語や基礎的な概念に苦戦しやすい分野なので、70時間程度を確保してじっくり取り組んでみてください。
学生が無理なく勉強時間を作るコツ

忙しくて時間が取れない学生は、以下の方法を実践してみてください。
- 空きコマに図書館を活用する
- アルバイトのシフトを調整する
- テスト期間を避けて受験する
空きコマに図書館を活用する
授業と授業の間にまとまった時間が空いていると、ついスマートフォンを見たり友人と話したりして過ごしてしまうでしょう。しかし、大学生にとって空きコマは貴重な時間なので、無理のない範囲で学習に充てるのがおすすめです。
カフェや共有スペースで勉強するのもよいですが、集中したいときは図書館が最適です。静かで気が散りにくく、周りの学生も勉強しているため、自然と学習モードに切り替えられます。
さらに、次の授業まで90分〜105分という制限があることで、ダラダラと過ごすことなく効率的に学習を進められます。放課後はアルバイトやサークルで忙しくなりがちなので、空きコマを活用して毎週決まった勉強時間を確保してみましょう。
アルバイトのシフトを調整する
学費や生活費を稼ぐためにアルバイトをすることも大切ですが、資格試験の合格を目指すなら、シフトを調整して勉強時間を作ることが大切です。たとえば、週5日働いているなら週4日に減らし、空いた1日を試験勉強に充てることで計画的に学習を進められます。
収入は多少減ってしまいますが、短期間で合格することで卒業までの限られた時間を有効活用できるでしょう。また、試験日程を上司や店長に伝え、試験の1〜2週間前にはシフトを減らしてもらえるように相談するのも有効です。
収入を減らしたくない場合は、授業終了後からアルバイト開始までの空き時間をなくすよう、勤務開始の時間を調整してもらうことも検討してみてください。
テスト期間を避けて受験する
テスト期間中は、試験勉強やレポート提出などで忙しく、資格試験に時間を割くのは難しいでしょう。この時期に受験を決めてしまうと、大学のテストにも資格試験にも集中できず、思うように成果を上げられません。
年1回の試験なら仕方がありませんが、ITパスポートはコンピュータを使って受験するCBT方式で実施されており、全国各地でほぼ毎日試験が実施されています。受験日と会場を自由に選べるため、大学のテスト期間を避けたり、就職活動やサークル活動と両立させたりしながら、無理なく受験することが可能です。
大学のテスト期間は7月と1月に行われることが多いため、スケジュールを見ながら余裕のある時期に受験してみましょう。
社会人が無理なく勉強時間を作るコツ

働きながら勉強時間を確保するためには、次のような工夫が効果的です。
- 通勤時間に学習アプリを使う
- 出勤前にカフェに行く
- 家族に協力してもらう
通勤時間に学習アプリを使う
電車やバスでの移動時間を活用することで、毎日確実に勉強時間を確保できます。空いている車内であれば、書籍を開いて読むことも可能ですが、混雑していて本を開けないことも少なくありません。
そのような場面では、ITパスポート試験に対応した学習アプリを使いましょう。スマートフォンなら立ったままでも扱いやすいため、混雑時でも学習を継続することが可能です。
また、朝の通勤時間は頭がすっきりしており、新しい知識の定着にも適しています。たとえ通勤時間が短くても、往復で30分確保できれば、1ヶ月で10時間程度の学習につながります。
出勤前にカフェに行く
自宅では家事や身支度に追われて落ち着いて勉強できないという方は、通勤途中のカフェに立ち寄ってみましょう。朝の時間帯は比較的空いており、気が散る要素が少ないため、集中して学習を進められます。
また、自宅と職場の間に学習環境を設けることで、自然と「出勤前に勉強する」という生活リズムが整うでしょう。コーヒーを飲む場合は、カフェインによって脳が覚醒しやすくなり、集中力が高まるというメリットもあります。
毎日数百円の出費にはなりますが、勉強時間を確実に確保するための投資と考えれば、将来のキャリアアップにつながる有意義な支出といえるでしょう。
家族に協力してもらう
家庭を持つ社会人にとって、限られた時間の中で勉強を進めるのは容易ではありません。家事や育児に追われていると、机に向かう時間を作るだけでも一苦労です。
このような場合は、家族に事情を話して協力をお願いしてみましょう。夕食後の片付けを代わってもらったり、休日に子どもの相手をしてもらったりするだけでも、学習時間を生み出せます。
協力してもらった分は試験後にお返しをする、合格したら家族で食事に出かけるなど、具体的な形で感謝を示すことで、家族も喜んでサポートしてくれるでしょう。
ITパスポートでやってはいけない勉強法

短期間で効率よく合格したい方は、以下の勉強法を避けましょう。
- いきなり参考書を丁寧に読み込む
- 用語を丸暗記する
- 試験直前に内容を詰め込む
独学で合格を目指している場合は、こちらの記事もご覧ください。
関連記事:独学でITパスポートに合格するコツ5選!一発で合格しやすい人の特徴も解説
いきなり参考書を丁寧に読み込む
参考書を最初のページから丁寧に読み進めていくと、自分が本当に理解できているかどうかを判断できず、記憶にも残りにくくなります。また、苦手な分野とすでに知っている分野を把握できていないと、学習の優先順位がつけられず、効率的に学習を進められません。
そのため、試験概要や出題範囲を確認したうえで、参考書に軽く目を通し、自分の理解度を確かめることから始めてみましょう。
用語を丸暗記する
ITパスポートでは数多くの専門用語が登場しますが、それらをただ丸暗記しても試験には対応しきれません。たとえば「クラウド」という用語を覚えても、その仕組みや具体的な活用例を理解していなければ、設問の意図を正確に読み取ることは難しいでしょう。
用語集も試験内容を整理するためには有効ですが、暗記に頼らず、背景や関連技術とあわせて理解することを心がけてみてください。
試験直前に内容を詰め込む
簡単に合格できると思い、試験直前になってから勉強を始める人も少なくありません。しかし、ITパスポートは仕組みや概念が問われる試験であり、表面的な暗記では本質の理解にはつながりづらいです。
また、直前学習では演習の時間が確保できず、出題傾向や時間配分の感覚を習得できません。一夜漬けでは睡眠不足や疲労により集中力も低下するので、本来の力を発揮するためにも、継続的に取り組んでいきましょう。
ITパスポートの勉強時間を短縮するコツ

限られた時間で成果を出すには、以下のような工夫が必要です。
- 過去問で出題傾向を把握する
- 動画で視覚的に覚える
- 試験日から逆算して学習計画を立てる
過去問で出題傾向を把握する
ITパスポートは技術的な内容だけでなく、法務や経営、マネジメントに関する問題も出題されます。そのため、すべてを満遍なく覚えようとすると時間がかかってしまい、効率よく合格を目指せません。
短期間で成果を出すためには、過去問で繰り返し出題される分野や頻出のキーワードに把握し、学習の優先順位をつけることが大切です。また、過去問演習を通じて問題形式に慣れることで、選択肢のパターンや引っ掛け問題の傾向にも気づけるようになります。
動画で視覚的に覚える
この試験では、ネットワークの仕組みや情報セキュリティといった、文字だけではイメージしにくい内容が出題されます。このような内容は、写真や図解を交えた解説動画を活用することで、直感的に理解しやすくなります。
YouTubeや試験対策講座など、さまざまな解説動画があるので、自分に合ったコンテンツを選んでみてください。たとえば、アガルートの「ITパスポート試験対策講座」では、図解を用いながら解説しており、ITに苦手意識がある方でもわかりやすい内容になっています。
パソコンやタブレット、スマートフォンなどのさまざまなデバイスで受講できるため、すきま時間を使ってコツコツ勉強したい方にもおすすめです。
試験日から逆算して学習計画を立てる
試験勉強はやみくもに始めるのではなく、試験日から逆算して計画を立てることが大切です。学習期間が明確になることで、日々どれくらいのペースで進めればよいかが見え、途中で挫折しにくくなります。
まず最初に「いつまでに合格するか」という目標を立て、そこから逆算して「いつまでに何をすべきか」という具体的な計画を立てていきましょう。予定通りに進まない日もあると思いますが、週単位で計画を見直せば、学習のリズムを保ちやすくなります。
まとめ
この記事では、ITパスポートに必要な勉強時間や、やってはいけない勉強法について解説しました。初心者は150時間、中級者は100時間、上級者は50時間程度の勉強時間を確保することで、合格レベルに達することが可能です。
また、移動中や空き時間を使うことで、忙しい日常生活の中でも無理なく勉強時間を確保できます。ITパスポートを取得したい方は、この記事を参考にしながら自分に合った学習計画を立ててみてください。
短期間で合格したい場合は、試験対策講座を受けるのがおすすめです。たとえば、アガルートの「ITパスポート試験対策講座」では、出題傾向を徹底的に分析し、約9時間で試験範囲を網羅できるカリキュラムが用意されています。
さらに、パソコンやスマートフォンなどで受講できるため、通勤時間や空き時間を有効活用できます。全額返金される合格特典も用意されているので、短期間で確実に合格を目指したい方はぜひ試してみてください。