【音声合成】Pythonで日本語テキストから音声ファイル(wav)を作成する方法|pyopenjtalkの使い方

この記事でわかること

Pythonで日本語音声合成(TTS)を行う基本的な方法
pyopenjtalkの使い方と音声ファイル(wav)作成の手順
音声合成の具体的な活用事例と学びを深める方法

Pythonで音声合成(Text-to-Speech, TTS)を試してみたい!
でも「どうやって始めたらいいかわからない」「環境構築が面倒そう」と感じる方も多いのではないでしょうか。

この記事では、初心者向けに日本語対応の音声合成ライブラリpyopenjtalkを使い、Google Colab上で日本語音声ファイル(wav)を生成する方法をハンズオン形式で解説します。

・プログラミング初心者
・機械学習やAIに興味がある方
・エンジニアで音声処理を学びたい方

どなたでも手軽に音声合成を体験できます!

音声合成とは

音声合成とは、コンピュータを用いて人間の声を真似た音声を人工的に生成する技術です。
音声合成を活用することで、任意のテキストを音声に変換することができます。
普段の会話をコンピュータで認識しそのテキストを音声合成することで、話した内容を書き出すことなどに活用できます。

Pythonで音声合成をするメリットとは?

音声合成(TTS)は、テキストデータから人工音声を生成する技術です。最近では以下の用途で幅広く活用されています。

・動画のナレーション作成
・ゲーム音声の自動生成
・読み上げアプリやアクセシビリティ対応
・カスタマーサポートの自動応答

Pythonなら音声合成ライブラリが豊富にあり、比較的簡単に導入・実装が可能です。

pyopenjtalkとは?日本語音声合成におすすめのPythonライブラリ

pyopenjtalkは、日本語に特化した音声合成ライブラリです。

主な特徴:
・日本語テキストを音素に変換
・自然な日本語のイントネーションに対応
・Pythonコードから簡単に操作可能
・wav形式で出力できる

生成AI時代でも活用されるpyopenjtalkの強み

生成AIによる高品質TTSが普及する中でも、pyopenjtalkは軽量・簡便な日本語TTSとして、教育用途や研究用途、プロトタイピング現場で今なお広く活用されています。

TTS(音声合成)技術が急速に進化している現在、「どんな時にpyopenjtalkが選ばれているのか?」という観点から、その特徴と利用シーンを整理してみましょう。

・学習用途や研究・プロトタイプ段階ではpyopenjtalkが今でも活用されている
・本格的な製品開発・高品質な音声を求める場合は、別のTTSモデルと組み合わせて使うケースも増えている

まずはTTSの仕組みを理解する第一歩としてpyopenjtalkから入るのは非常に良い選択です。

pyopenjtalkのインストール

ここでは、日本語文章を音素表記に変換し、音声合成ができるPythonライブラリ pyopenjtalkをGoogle Colab上にインストールする手順を紹介します。

Google Colaboratory とは?(詳細説明ページに遷移します)

Google Colaboratory(Google Colab)は、Googleが提供するクラウド型のPython実行環境です。
ブラウザから簡単にPythonコードを実行でき、事前にPCへPythonをインストールする必要がありません。

pyopenjtalkインストール用コマンド

Google Colabの設定が終わったら、以下のコードを順番に実行して、pyopenjtalkをインストールしていきます。

!mkdir tools && cd tools && git clone https://github.com/r9y9/hts_engine_API.git
!mkdir -p tools/hts_engine_API/src/build && cd tools/hts_engine_API/src/build && \
 cmake -DCMAKE_INSTALL_PREFIX=../.. .. && make -j && make install
!cd tools && git clone https://github.com/r9y9/open_jtalk.git
!mkdir -p tools/open_jtalk/src/build && cd tools/open_jtalk/src/build && \
 cmake -DCMAKE_BUILD_TYPE=Release -DBUILD_SHARED_LIBS=ON \
 -DHTS_ENGINE_LIB=../../../hts_engine_API/lib \
 -DHTS_ENGINE_INCLUDE_DIR=../../../hts_engine_API/include .. && \
 make install
!cp tools/open_jtalk/src/build/*.so* /usr/lib64-nvidia
!cd tools && git clone https://github.com/r9y9/pyopenjtalk.git
!pip install pyopenjtalk==0.1.5

pyopenjtalkインストール確認

インストールできたら、以下のプログラムでバージョンを確認してみましょう。今回は0.15をインストールいたしました。

import pyopenjtalk
print(pyopenjtalk.__version__)

pyopenjtalkで音声合成を行う

次に、日本語テキストから音声ファイルを生成してみましょう。pyopenjtalkに加え、numpyとPythonでwavファイルを書き出すためにscipyもあわせて利用します。

import pyopenjtalk
import numpy as np
from scipy.io import wavfile

text = "AI Academyで音声合成を学んでいます"
x, sr = pyopenjtalk.tts(text)
wavfile.write("output.wav", sr, x.astype(np.int16))

実行結果

プログラムを実行すると、「output.wav」という音声ファイルが作成されます。
Google Colab画面の左側「ファイル」タブからダウンロードし、再生することで音声を確認できます。

変数textの内容を自由に変更することで、任意の文章を音声化できます。
さまざまな文章を試してみましょう。

音声合成の活用事例

音声合成(TTS)はさまざまなシーンで活用されています。

・動画ナレーションの自動生成(YouTubeや企業動画など)
・eラーニング教材の読み上げ音声
・ゲームやアプリの音声演出(キャラクター音声やガイド音声など)
・Webサイトの音声読み上げ機能(アクセシビリティ向上)
・AIチャットボットやカスタマーサポートの音声出力

pyopenjtalkは軽量で使いやすいため、このようなプロトタイピングや教育用途にも人気があります。

音声合成を書籍で学ぶ方法

今回は音声合成をPythonで行いましたが、本格的に学びたい方はこちらの書籍を是非読んで見てください。

Pythonで学ぶ音声合成 機械学習実践シリーズ

Pythonで学ぶ音声合成 機械学習実践シリーズ Kindle版

上記の書籍で登場するソースコードのライセンスはMITのため、商用・非商用問わずに、利用することが可能です。

まとめ

本記事では、Pythonとpyopenjtalkを使い、日本語テキストから音声ファイル(wav)を生成する方法を紹介しました。

まずはpyopenjtalkで音声合成の基本を体験し、今後の音声アプリ開発やTTS活用のきっかけにしてみてください。

FAQ:Python音声合成 pyopenjtalkのよくある質問

Q1:Google Colab以外でもpyopenjtalkは使えますか?
A:はい。Windows/Mac/Linuxのローカル環境でも利用できますが、初心者にはColabが簡単でおすすめです。

Q2:出力した音声は商用利用できますか?
A:pyopenjtalkはMITライセンスです。辞書ファイルなど関連ライブラリのライセンスを確認のうえ、基本的に商用利用可能です。

Q3:もっと自然な音声を作りたい場合は?
A:深層学習ベースのモデル(Tacotron、VITSなど)を利用することで、より高品質な音声が作成できます。

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