AIを業務に活用するためには、研修を通じて社員にスキルを習得してもらう必要があります。しかし「AI研修って高そう」「予算内でどこまで対応できるのか不安」と悩んでいる方も多いでしょう。
そこで、この記事ではAI研修の費用相場を紹介します。価格の内訳や安価で受講する方法についても解説するので、AI研修を検討している方は最後までご覧ください。
AI研修の費用相場一覧
AI研修の費用相場は、対象者のレベルによって大きく異なります。
- 初心者向け｜0〜10万円
- 中級者向け｜5〜20万円
- 上級者向け｜10〜30万円
初心者向け｜0〜10万円
AIに関する知識がまったくない初心者向けの研修は、0〜10万円程度が相場です。この価格帯には、無料のオンライン講座や比較的安価なeラーニング教材、1日完結のセミナー形式の研修などが含まれます。
こうした研修は、AIの仕組みや活用事例を広く浅く理解することを目的に設計されています。専門知識がない社員でも理解できる内容となっているため、社員全体の意識改革を行いたい企業にとって効果的です。
中級者向け｜5〜20万円
AI導入を進めたい中級者向けの研修は、5〜20万円ほどの費用になることが一般的です。この価格帯の研修では、Pythonを用いたプログラミングや簡単なデータ分析など、実務を想定した内容が中心となります。
また、中級者が抱える「業務への組み込み方がわからない」という課題に対応するため、実践的な演習や事例紹介を取り入れ、導入のイメージが湧きやすい内容になっています。
上級者向け｜10〜30万円
AI開発の実務経験がある、または今後リーダーとしてAIプロジェクトを牽引したいと考えている人向けの研修は、費用相場が10〜30万円程度とやや高額です。この価格帯では、自然言語処理や画像認識などの特定分野に特化した研修に加え、機械学習モデルの構築や精度改善といった、より専門性の高いテーマも扱われます。
上級者には「他のメンバーに教える」「プロジェクトを推進する」といった役割も求められるため、AI技術だけでなく、教育手法やプロジェクト管理にも焦点を当てた内容となっています。
AI研修にかかる費用の内訳
AI研修の費用は、次のような内訳になっています。
- 講師料
- 教材費
- 会場費
- 交通費
- 宿泊代
- サポート費用
講師料
AI研修の費用の中でも、大きな割合を占めるのが講師料です。特に専門性の高い研修では、実務経験が豊富な現役技術者や、AI領域で実績のある講師が担当することが多く、その分費用も高額になります。
講師を選ぶ際は、専門性に加えて「伝える力」も重視すると、費用に見合った成果が期待できます。
教材費
AI研修では、オリジナル教材やeラーニングシステムを活用し、体系的に学習を進めるのが一般的です。こうした教材やシステムの利用にかかる費用は、教材費として計上されることがあります。
また、実技中心の研修では、専用ツールやクラウドサービスを使うケースもあり、これらにかかるライセンス料が教材費に含まれることもあります。
会場費
対面形式のAI研修では、会場費が別途発生することがあります。貸し会議室やセミナールームを使用し、参加人数や使用時間に応じて料金が変動することが一般的です。
都心部でアクセスがよく、設備の整った会場ほど費用が高くなり、1日あたりで数万円程度になることもあります。
交通費
受講者が外部の研修施設に通う場合や、遠方から講師を招く場合には、新幹線や飛行機などの交通費が発生します。これらの費用は企業側が負担することが多いため、事前に移動計画を立て、全体のコストを見積もることが大切です。
参加人数が多い場合は、ルートや交通手段を見直すだけでも、費用を大幅に削減できる可能性があります。
宿泊代
研修が複数日にわたる場合や遠方で実施される場合には、宿泊費が別途かかります。ビジネスホテルを利用することが一般的で、1泊あたり1万円程度が目安です。
地方開催や長期研修では、宿泊費が全体コストに与える影響も大きくなるので、事前に宿泊の有無を確認しておきましょう。
サポート費用
AI研修には事前準備やアフターフォローが含まれるものがあり、これに伴うサポート費用が発生する場合があります。具体的には、研修前のヒアリングや受講者のスキルチェック、研修後の課題提出やフィードバック対応などが該当します。
これらのサポートは受講者の理解度向上につながりますが、その分コストも増えるため、内容と費用のバランスを確認することが重要です。
AI研修の費用対効果が高い理由
AI研修の費用対効果が高い理由は、以下の通りです。
- 業務効率に直結するから
- 採用コストを削減できるから
- 離職率低下につながるから
業務効率に直結するから
AIの仕組みやツールの使い方を習得すれば、手作業で行っていた業務を自動化でき、時間や人手の削減につながります。たとえば、Excelで実施していたデータの集計や分析を、PythonやAIツールで自動化することで、日々の業務工数を大幅に削減できます。
また、AIを活用することでデータの傾向や異常値を素早く捉えられるようになり、これまで見落としていたビジネスチャンスや課題の発見にもつながります。
採用コストを削減できるから
高度な専門スキルを持つAI人材は市場価値が高く、外部から採用するには高額な給与や採用コストがかかるのが一般的です。さらに、AIの活用が広がる中で人材獲得競争が激化しており、採用の難易度も上がっています。
一方、既存社員にAIスキルを習得させれば、新たな採用が不要になり、人材確保にかかる費用を大幅に抑えることが可能です。さらに、育成した社員は自社の文化や業務を深く理解したうえでAIを活用できるため、実務で成果を上げやすいというメリットもあります。
離職率低下につながるから
AI研修を導入することは、生産性向上や採用コスト削減だけでなく、社員の意欲を高める上でも効果的です。会社がスキルアップの機会を提供することで、社員は「成長できる環境がある」「自分の将来を大切にしてくれている」と感じやすくなります。
こうした実感が仕事への前向きな姿勢につながり、会社への信頼感や満足度の向上にも寄与します。特に、近年では「市場価値を高めたい」「将来に備えて専門性を身につけたい」と考える社員が増えており、教育施策への注力は離職率防止に直結します。
AI研修の費用を抑える方法
AI研修の導入コストを抑えたい方は、以下の方法を試してみてください。
- 受講者に合わせてカスタマイズする
- グループ割引を利用する
- 助成金を活用する
受講者に合わせてカスタマイズする
一般的な研修プログラムは幅広い内容を網羅していますが、すべての項目が受講者にとって必要とは限りません。受講者のスキルや職種に応じて研修内容を調整することで、必要な知識に集中でき、限られたコストを有効活用できます。
たとえば、AIの基礎をすでに習得している社員には入門レベルの内容を省き、実践的なテーマから学び始めることで、業務への応用がしやすくなります。また、営業・マーケティング・エンジニアなど職種ごとに学ぶべきテーマは異なるため、全員一律の内容ではなく、職種別にカスタマイズされた研修を実施するのがおすすめです。
グループ割引を利用する
複数名で受講する場合、研修会社によってはグループ割引が適用されることがあります。この制度を活用すれば、費用を抑えながら多くの社員に研修機会を提供することが可能です。
特に中小企業では「費用の都合で一部の社員にしか受講させられない」といった課題を抱えがちですが、割引プランを活用することで、コストを抑えつつ社内全体のAIリテラシー向上が図れます。
助成金を活用する
国や自治体ではさまざまな助成金や補助金制度が設けられており、人材育成の一環としてAI研修費用が対象となるケースがあります。たとえば、厚生労働省が提供する「人材開発支援助成金」や「キャリアアップ助成金」では、研修費用の一部を補助する制度として多くの企業に活用されています。
これらを利用することで、数万円〜数十万円単位で費用を削減できる可能性があります。助成金対象の研修会社の中には、申請手続きのサポートを提供している場合もあるので、費用面で悩んでいる場合は積極的に相談してみましょう。
費用対効果が高いAI研修3選
費用対効果が高いAI研修は、以下の3つです。
- 株式会社エーアイアカデミー
- 株式会社アガルート
- 株式会社SAMURAI
株式会社エーアイアカデミー
株式会社エーアイアカデミーでは、オンラインAI研修サービス「AI Academy Business」を提供しています。このサービスには500以上のAI関連コンテンツがあり、受講者は自身のレベルに応じて講座を選ぶことが可能です。
たとえば、初心者向けには「AIビギナーコース」や「生成AI入門コース」など、AIの基本的な仕組みや活用方法を学べる講座が用意されています。中〜上級者向けには「ChatGPT入門編」「Pythonコース」「異常検知入門編」「物体検出実践編」など、業務に直結する内容が揃っています。
一度限りの研修と違い、空き時間を活用して継続的に学べるため、社員に無理なくAIスキルを定着させたい企業にもぴったりです。また、管理者向けには「進捗管理ダッシュボード」が用意されており、受講者の学習頻度やつまずきポイントを確認しながら、個々に応じたサポートも行えます。
さらに、株式会社エーアイアカデミーではE-learning形式に加えて、企業ごとのニーズに応じたカスタマイズ研修も実施しています。研修開始前には丁寧なヒアリングを行い、課題や目標に基づいて最適な研修内容をご提案します。また、ご希望に応じてマンツーマンやグループ形式、対面・オンラインなど、柔軟なスタイルでの設計が可能です。
E-learningについては、2週間の無料トライアルもご用意しており、導入前に実際の学習体験をお試しいただけます。ご要望に応じて新規コンテンツの開発・提供も行っているので、ぜひお気軽にご相談ください。
株式会社アガルート
株式会社アガルートでは「AI・DX・データ分析・活用研修」を実施しています。初心者向けの「生成AIリテラシー研修～基礎～」では、生成AIの仕組みや活用方法、法律・倫理などを幅広く学べます。
また、ビジネス活用をテーマにした「AI企画研修」では、AIサービスの企画・立案から事業開発までのプロセスを実践的に学ぶことが可能です。ChatGPTや機械学習などのテーマ別研修や、AI関連資格の取得を目指す講座もあるため、受講者の目的やレベルに合ったプログラムを選択できます。
アガルートでもオンライン形式に限らず、対面での実施や内容の個別調節にも対応しています。マンツーマン指導から複数人での受講まで、各企業に合った規模で研修を実施できるため、現場の状況に応じた研修を導入したい場合にも最適です。
株式会社SAMURAI
株式会社SAMURAIでは、ITに特化した「併走型オーダーメイド研修」を実施しています。その中でもAI活用に特化した「AI研修」では、企業の課題をヒアリングし、それに基づいた課題解決型プログラムを提案します。
講師は400名以上の現役エンジニアの中から、ニーズに応じて選定されるため、現場で役立つ実践的な内容を学べるのが特徴です。この研修は人材開発支援助成金の対象になっており、最大75%の受講費用が補助されるので、コストを抑えたい企業にもおすすめです。
AI研修の費用に関するよくある質問
AI研修を検討している方は、よくある質問もチェックしておきましょう。
- オンラインと対面、安いのは？
- 高価格の方が成果につながりやすい？
- AI研修選びのコツは？
オンラインと対面、安いのは？
一般的に、対面形式よりもオンライン形式の方が安価です。体験形式では会場費や交通費、宿泊費などが発生するため、全体のコストが高くなる傾向があります。
一方で、オンライン形式には講師から直接教わるライブ型と、録画された講座を視聴するオンデマンド型の2種類があります。中でもオンデマンド型は費用を抑えやすく、比較的低コストで導入しやすいのが特徴です。
高価格の方が成果につながりやすい？
価格が高いからといって、必ずしもその分だけ成果につながるとは限りません。もちろん、高価格な研修には実績のある講師が登壇していたり、手厚いサポートが付いていたりするケースもあります。
しかし、内容が受講者のレベルや目的に合っていなければ、学んだ内容を業務に活かすことは難しくなります。そのため、研修を選ぶ際は価格だけでなく、カリキュラムやサポート体制などを総合的に比較・検討することが重要です。
AI研修選びのコツは？
AI研修を選ぶ際は、まず「受講の目的」を明確にすることが重要です。たとえば、現場での業務改善を目的とする場合は、理論よりも実務に即した演習やグループワークなど、実践的な内容を重視すべきです。
一方で、AI導入の可否を判断する立場にあるマネジメント層であれば、AIに関連する法律や他社の導入事例を学べるような、戦略的な視点を養う研修が適しています。このように、受講者の立場や目的に応じて選ぶべき研修の内容は大きく異なります。
選び方のポイントについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
関連記事：おすすめのAI研修会社5選｜選び方や主要な種類7選も徹底解説
まとめ
この記事では、AI研修の費用相場や価格の内訳、安価で受講する方法について解説しました。研修プログラムによって金額に幅があり、初心者向けであれば比較的低予算で始めることが可能です。
また、グループ割引や助成金を活用することで、費用を大幅に下げられる場合もあります。そのため、AI研修の実施を検討している方は、この記事で紹介したポイントを参考に、自社に最適な研修を選んでみてください。
長期的にAI人材を育成したい場合は、株式会社エーアイアカデミーのオンラインAI研修サービス「AI Academy Business」がおすすめです。基礎から応用まで幅広い知識が学べる500以上のコンテンツが用意されており、統計学やPythonの基本文法など、実務に直結するスキルを効率よく習得できます。
法人向け機能「進捗管理ダッシュボード」を活用すれば、管理者が社員の学習状況を把握し、社員一人ひとりに合ったサポートが行えます。社員の学習習慣を定着させるうえでも効果的なので、AI活用を本格的に進めたい場合は、ぜひ「AI Academy Business」の導入を検討してみてください。
