はじめに
この記事では、Prompt Engineering Professional(通称 PEP検定)について試験概要からメリットや難易度について解説します。これからPEP検定の受験を検討されている方の参考になりましたら幸いです。
PEP検定とは
Prompt Engineering Professional(通称 PEP検定)は、一般社団法人日本プロンプトエンジニアリング協会が2025年4月23日に開始した民間資格です。生成AI、とくに大規模言語モデル(LLM)を業務へ応用するためのプロンプト設計力・リスク管理・カスタマイズ知識を総合的に評価するための資格です。
誕生背景
誕生背景は以下の通りです。
- ChatGPTをはじめとする生成AIが広く浸透し、“導入”から“使いこなし” フェーズへ移行
- 適切なプロンプト設計による 業務効率 30〜40% 向上 を裏づける調査が国内外で増加
- 現場で再現性のあるスキルを測る標準指標が急務となり、協会が検定を創設
試験概要
以下に、PEP試験の概要について表にまとめました。
項目 | 内容 |
---|---|
試験方式 | CBT(全国340超のテストセンター) |
出題形式 | 四肢択一+多肢選択 100問 |
試験時間 | 60分 |
合格基準 | 正答率 70%以上 |
受験料 | 11,000円(税込) |
受験資格 | 年齢・経験不問/再受験制限なし |
実施頻度 | 随時(空席照会で即予約可能) |
取得メリット
続いて、取得するメリットについて個人の視点と企業から見た視点で説明します。
1. 個人にとっての価値
- 履歴書・名刺で差別化 – 生成AI実務スキル証明の肩書きはまだ希少です。
- DXプロジェクトのリーダー候補に – 社内 AI 推進ポジションの登竜門。
- 横展開しやすい知識体系 – マーケ・開発・カスタマーサクセス等に汎用。
2. 企業にとっての価値
- 社員のプロンプト品質を標準化し、アウトプットのばらつきを削減
- コンプライアンスとリスク管理 を検定内容に織り込むことで安心してAIを導入
- クライアントへの説明責任を強化し、提案力向上
難易度・合格率は?
続いて試験の難易度と合格率を以下に記載します。
- 合格ライン:70%(100問中70問)
- 想定学習時間
- 生成AI実務経験者:40〜60時間
- 初学者:80〜120時間
- 初年度合格率予測:55%前後(ITパスポート等同系CBT試験の実績を参考)
* 2025年4月の初回受験者からは「倫理・法務セクションが手強い」という声が多数。
出題範囲(シラバス)について
以下にPEP検定の出題範囲について説明します。
7領域マップ
- 生成AIの基礎理解 – AI史・仕組み・最新ユースケース
- LLMの基礎理解 – モデル構造・トレーニング・長所短所
- プロンプトエンジニアリング基礎 – 指示設計/評価と改善ループ
- 生成AIツール活用 – API連携・自動化スクリプト
- 実務応用例 – ライティング/データ分析/営業支援/コード生成
- モデルカスタマイズ – ファインチューニング・RAG実装
- 倫理・リスク・法律 – 知財・個人情報・ガバナンス
重要キーワード
試験に合格するために以下のキーワードについて必ず理解しておきましょう。
- Zero‑Shot / Few‑Shot / Chain‑of‑Thought
- Retrieval‑Augmented Generation(RAG)
- コンテンツハルシネーション対策
- データプライバシー & AI規制法
おすすめ勉強手順5ステップ
試験に合格するための勉強法を解説します。
ステップ | 目安時間 | 内容 |
---|---|---|
① 全体像把握 | 3h | 協会スライドでシラバス7領域を俯瞰 |
② プロンプト設計基礎 | 10h | Role+Task+Format+Tone テンプレ写経 |
③ LLM理論 & RAG | 15h | 無料MOOC+論文要約で背景理解 |
④ 倫理・法務対策 | 8h | 個人情報保護・著作権・社内規定を整理 |
⑤ 模擬試験→復習 | 10h | 例題+CBT体験サイトでスコア確認 |
Tip: “人に解説できる”レベルまで落とし込むと本番で迷いません!これはこの資格受験に限らず全ての試験取得において重要です。
受験申込・当日の流れ
続いて、以下に受験申込・当日の流れを示します。
- 協会または CBT-Solutionsサイトでマイページ登録
- 希望日時・会場を予約 → 支払い(クレカ/コンビニ/バウチャ)
- 受験当日は 本人確認書類+予約メール を持参
- 試験終了後、即時スコアレポート確認
- 合格者は 2〜3 週間でデジタル認定証を受領
遅刻しても終了時刻延長なし。30分前到着が安全です。
よくある質問FAQ
最後によくある質問についてまとめました。試験を受験する前に一度目を通しておくとよいでしょう。
Q | A |
---|---|
公式テキストは? | 2025年5月下旬に協会公式ガイドブック発売予定。現時点はシラバス PDF & 例題が無料DL可能です。 |
実技試験はある? | 現在は筆記CBTのみ。ハンズオン試験を将来的に追加検討中。 |
資格の有効期限は? | 失効なし。ただし技術更新に合わせた再認定プログラム構想あり。 |
英語版試験は? | 2026年に国際版(英語UI + 問題)リリースを予定。 |
まとめ
本記事では、Prompt Engineering Professional(通称 PEP検定)について試験概要からメリットや難易度について解説しました。
- PEP検定 = 生成AI時代の ITパスポート+実務力
- 60分CBT・100問で取り組みやすいが、70% 合格ラインは要対策
- 40〜120 時間の計画学習で合格圏。プロンプト設計×倫理×運用を体系的に学べます。
- 今後 DX 推進人材の共通言語として、企業導入・研修要件化が進む可能性大。
PEP試験を取得し、生成AIリテラシーの証明をしてみてはいかがでしょうか。まずは公式シラバスをダウンロードし、自分の弱点を洗い出してみてください。
参考リンク
- 生成AI活用スキルを証明する「Prompt Engineering Professional検定」開始のお知らせ — PR TIMES
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000132440.html - 日本プロンプトエンジニアリング協会 PEP検定 公式サイト
https://prompt.or.jp/pep - 日本プロンプトエンジニアリング協会 学習資料ページ
https://prompt.or.jp/doc