人工知能とは
人工知能(Artificial Intelligence)とは、人間の知能をコンピュータで再現することです。
ここで押さえておきたいポイントとして、実際は専門家の中でも「人工知能」の定義が異なっています。
また「知能」とはどのような事を指すのでしょうか。
「知能」とは日常的に行なっている知的処理の事を指します。例えば、ある動物を見て「この動物は可愛い」と感じたり、「あの場所に車が止まっている」などと「認識」したり、ある英語の試験の問題を解く際に、「この問題の答えはこれかな?」と「推論」したり、ある本を読んで「この文章は大変わかりやすい文章だなぁ」と「判断」したりするような事です。
人間の知的処理能力の場合、論理的に思考したり、五感(視覚、聴覚、臭覚、触覚、味覚)など様々な処理能力があります。ですが、現在、人間のように考えるコンピュータはまだできていません。現在の「人工知能(AI)」は人間の知的な活動の一面を模倣している技術を指しています。
人工知能という言葉の誕生
人工知能(AI)という用語は、1956年に、米国東部のダートマス会議で開催されたワークショップにて、人工知能研究者である『ジョン・マッカーシー』が初めて使った言葉として登場しました。この会議から、人間のように考える機械を人工知能と呼ばれるようになりました。
強いAIと弱いAI
AIは、「強いAI」と「弱いAI」という大きく2つにわけることができます。
弱いAIは、特化型人工知能(Narrow AI , Weak AI)と汎用人工知能(AGI / Artificial General Intelligence)に分けられます。
※Wikipediaにもあるように、強いAI(Strong AI)に、汎用型人工知能を分ける場合もあります
※記事では、強いAI(心を持ったAI) > 汎用型人工知能(心は持ち合わせていないが、人間以上の汎化能力を持ち合わせたAI) > 特化型人工知能という分け方をしています。
特化型人工知能とは、人間同等もしくは人間以上の特定の決まった作業を遂行するAIのことを指します。
例えば、囲碁のAlphaGo(DeepMind Inc)やチェスのAI、将棋のAIや自動運転車などです。
汎用型人工知能は、特定のタスクなどに限定せず、人間と同様もしくは人間以上の汎化能力を持ち合わせているAIのことを指します。
「強いAI」というのは、人間のように「心を持つ」AIのことです。「強いAI」は、人間のように自意識や感情を持ち合わせています。
例えば、ドラえもん、鉄腕アトム、C-3POなどは「強いAI」に属されます。
「弱いAI」は、心を持つ必要はなく、限定された知能により、知的な問題解決ができるAIのことです。今あるAIは全てこの弱いAIに該当します。現在、強いAI・汎用人工知能はまだ実用化されておらず、実用化されているのは、弱いAI・特化型AIのみです。
人工知能の歴史
それでは、AIという言葉はいつ誕生し、どのような技術をもとに発展したのでしょうか。また、なぜ未だに本当の意味での人工知能が実現できていないのでしょうか。それらの謎を紐解くために、順に歴史をたどっていきましょう。人工知能にはこれまでに3回のブームがありました。1つ1つブームを遡ってみてきましょう。
第1次AIブーム
第1次AIブーム
第1次AIブームは、1950年代後半〜1960年代に訪れました。1956年にアメリカで開催されたダートマス会議にて初めて「人工知能」という言葉が使われたとされています。ダートマス会議にはAI領域の研究で重要な役割を果たした[著名人(ジョン・マッカーシー、マーヴィン・ミンスキー、ハーバード・サイモン、アレン・ニューウェル)などが参加されました。ハーバード・サイモンとアレン・ニューウェルは、ロジック・セオリスト(Logic Theorist)と呼ばれる世界初のAIプログラムをデモンストレーションした事が有名です。これはコンピューターを用いて数学の定理を自動的に証明する事が可能であることが示されました。コンピュータで「推論」と「探索」をすることで特定の問題を解く研究が進んでいた時代です。しかし、複雑な問題は解けないことが明らかになり、結果1度目のブームは1970年代に冬の時代を迎えました。探索(迷路・ハノイの塔)
第2次AIブーム
1980年代〜コンピュータに「知識」を入れると賢くなるというアプローチを使い、エキスパートシステムと呼ばれるシステム(専門家の持つ知識を大量に利用した問題解決システム)がたくさん作られました。しかし、1995年あたりには、知識を記述・管理することの大変さが明らかになり冬の時代に入ります。・エキスパートシステム
・ニューラルネットワーク
・遺伝的プログラミング
第3次AIブーム
第3次AIブーム
それから、AIは機械学習に続き、第3次ブームがやってきます。第2次AIブームでは、「知識」をたくさん入れれば、コンピュータは賢くなりましたが、基本的に入力した知識以上のことはできません。こうした中、現在の第3次AIブームは、機械学習とディープラーニングの2つの大波が重なって生まれています。ディープラーニングは日本語で「深層学習」とも呼ばれ、ディープラーニングは機械学習に含まれます。機械学習やディープラーニングに関しての詳しい説明は、他の科目別コースで説明しますが、ディープラーニングは学習データの「特徴量を自動的に学習する」という特徴があります。現時点では、意味などは理解せずに、第3次AIブームでは、着々と力を伸ばしてきたのが機械学習とディープラーニングだということを覚えておいてください。人工知能という用語が誕生した1956年から60年以上経っていますが、現在にいたるまで人工知能は3回のブームが行われてきました。
おわりに
この記事では、人工知能とは何か、人工知能の歴史に関して説明しました。
人工知能ブームには大きく3回に渡って起きた事をしっかりと理解しておきましょう。
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