DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進するためには、DXリテラシーを習得することが重要です。しかし「DXリテラシーって具体的に何を指すのかわからない」「どのように学べばいいのか」と悩んでいる方も多いでしょう。
そこで、この記事ではおすすめのDXリテラシー研修3選を紹介します。必要な7つのスキルや研修を実施するメリットも解説するので、DX推進を目指す企業担当者の方はぜひ最後までご覧ください。
DXに必要な7つのリテラシー

DX化を進めるためには、次の7つのリテラシーが必要です。
- デジタルリテラシー
- データリテラシー
- セキュリティリテラシー
- プログラミングリテラシー
- コミュニケーションリテラシー
- ビジネスリテラシー
- マネジメントリテラシー
デジタルリテラシー
デジタルリテラシーは、デジタル技術を正しく理解し、使いこなす能力を指します。具体的には、パソコンの基本操作からソフトウェアを効果的に使うスキル、さらにはクラウドの基礎知識なども含まれます。
デジタルリテラシーはDX推進の基盤となる能力であり、新しいデジタル技術を業務に導入し、効率化や生産性向上を実現するために欠かせません。さらに、このスキルを高めることで組織全体の課題解決能力が向上し、DX推進のスピードや成果をより一層高められます。
データリテラシー
データリテラシーとは、データを正しく理解・分析し、その結果を活用する能力を指します。このスキルには、データの読み取り方や統計の基礎知識、データ分析ツールの使い方が含まれます。また、数値を扱うだけでなく、その背景や文脈を踏まえて論理的な仮説を立てる力も不可欠です。
DXを推進するためには、このデータリテラシーを活用してビジネスプロセスを改善し、新たな価値を創出することが欠かせません。たとえば、売上低迷の原因をデータから特定し、その結果に基づいた改善策を実行することで、効果的な成果を得られます。
セキュリティリテラシー
セキュリティリテラシーとは、情報セキュリティに関する知識を持ち、それを適切に活用して安全にデジタル技術を利用する能力のことです。このスキルには、不審なメールを見分ける力や強固なパスワードを設定する能力、サイバー攻撃に関する基礎知識が含まれます。
DXが進む中で、多くの業務がクラウドやIoT、AIといったデジタル技術に依存しています。これらの技術を安全に運用するためには、セキュリティリテラシーが欠かせません。たとえば、ランサムウェアやフィッシング詐欺といったサイバー攻撃は、企業全体に重大な被害をもたらす可能性があります。
そのため、DX化を進める際には、従業員1人ひとりがセキュリティリテラシーを習得することが求められます。また、企業全体でセキュリティ対策を強化し、安全なデジタル環境を構築することも重要です。
プログラミングリテラシー
プログラミングリテラシーとは、プログラミングの基本的な仕組みを理解し、簡単なコードを書いたり修正したりする能力を指します。このスキルは、プログラマーやエンジニアだけでなく、DXを推進するすべての人にとって重要です。
たとえば、プログラミングの動作原理を理解することで、システム開発やデジタルツールの導入時に適切な判断ができるようになります。さらに、外部のエンジニアや開発チームと円滑に連携を進めるうえでも、このスキルは役立ちます。
近年、さまざまな業務が自動化されているため、今後は幅広い職種で欠かせないスキルとなるでしょう。
コミュニケーションリテラシー
コミュニケーションリテラシーとは、他者と効果的に情報を共有し、意図を正確に伝える能力のことです。DXプロジェクトでは、異なる部門や専門分野の人々が連携して進めるため、効果的なコミュニケーションが成功の鍵となります。
たとえば、部門間でクラウド上のデータを共有する際には、各部門の業務や目的を理解し、利便性とセキュリティを両立させる調整力が不可欠です。一方で、コミュニケーションリテラシーが不足していると、連携不足や誤解が生じ、プロジェクト全体の進行に悪影響を及ぼすことがあります。
ビジネスリテラシー
ビジネスリテラシーとは、ビジネスの知識を活用して、効果的に意思決定や問題解決を行う能力のことです。具体的には、経営戦略や財務、マーケティング手法の理解が含まれます。
さらに、DXではデジタル技術を活用して新しい価値を生み出すことが求められるため、論理的思考力や課題解決力、タイムマネジメント力も欠かせません。たとえば、DX推進で新しいサービスを企画する際には、市場データを分析し、その結果をもとに戦略を立てる能力が必要です。
ビジネスリテラシーは、DXを通じて企業の競争力を高め、持続的な成長を支える基盤となるスキルです。そのため、組織全体でこの能力を向上させることが、DXの成功に繋がるといえるでしょう。
マネジメントリテラシー
マネジメントリテラシーとは、プロジェクトや組織を効果的に管理し、目標達成に向けてチームを導く能力を指します。これには、計画立案や進捗管理といった基本的な管理スキルに加え、チーム間の調整力が求められます。
また、DXは部門横断的な取り組みであることが多いため、異なる部門や専門分野の人々をまとめるリーダーシップも欠かせません。たとえば、新しいデジタルツールを導入する際には、導入プロセスを適切に管理し、関係者間で共通理解を図ることが重要です。
この能力が不足すると、プロジェクトの遅延や目標未達成、チームの士気低下につながる可能性があります。そのため、マネジメントリテラシーはDXを支える重要な基盤といえるでしょう。
DXリテラシーを習得するのが難しい理由

DXリテラシーを習得することは重要ですが、次のような理由から、多くの企業が実現に至っていません。
- 求められる知識が多岐にわたる
- 実務経験が求められる
- 継続的な学習が必要になる
求められる知識が多岐にわたる
DXでは単にデジタル技術を理解するだけでなく、それを効果的に活用して業務プロセスを改善し、新たなビジネスモデルを構築することが求められます。しかし、習得すべき知識が多岐にわたるため、忙しい日々の業務の中で学ぶのは難しいです。
さらに、職種や業界、企業の方針によって必要なスキルが異なるため、一律の教育プログラムでは対応しきれない場合もあります。たとえば、マーケティング部門ではデータ活用や顧客分析スキルが重視される一方で、IT部門ではクラウド技術やネットワーク管理といった専門知識が必要です。
このように、DX推進には職種ごとの特性に応じた柔軟なアプローチが求められるため、効果的な人材育成や教育プログラムの設計が重要になります
実務経験が求められる
実際のビジネス現場では、どのデータを収集し、分析結果をどのように活用するかを考える力が求められます。これには、業界特有の課題や顧客ニーズ、業務プロセスを深く理解することが欠かせません。
たとえば、新しいデジタルツールを導入する際には、そのツールが現場でどのように活用されるかを把握し、適切に展開するスキルが求められます。実務経験を積むには時間が必要ですが、業務の中で新しい技術に取り組む余裕を確保するのは簡単ではありません。
継続的な学習が必要になる
AI技術やDXツールは急速に進化しており、一度習得したスキルが短期間で陳腐化することも珍しくありません。そのため、従業員は変化に対応するために、定期的な研修や自己学習でスキルをアップデートする必要があります。
ただし、継続的な学習には時間と労力がかかるため、日々の業務と両立するのが難しいという課題があります。
DXリテラシー研修を実施するメリット

効率よくDXリテラシーを習得するためには、体系的な知識を学べる研修を実施することが大切です。研修を実施するメリットは、以下の通りです。
- DX推進の基盤を構築できる
- DX人材を社内で育成できる
- 組織全体の業務効率化を図れる
DX推進の基盤を構築できる
DXを成功させるためには、従業員1人ひとりがデジタル技術を理解し、それを業務に活用するスキルを身につけることが不可欠です。研修を通じて、このような基礎的なスキルを全社的に高めることで、DX推進の土台が築かれます。
研修を受けた従業員は、DXに対する共通の理解を持つようになり、部門間の連携が円滑になります。また、新しい技術やツール導入への抵抗感が減ることも大きなメリットです。
DX人材を社内で育成できる
研修を通じて従業員が必要なスキルを習得すれば、自社内でDX人材を育成できます。社内でDX人材を育てる最大のメリットは、外部人材に頼らず、自社のビジョンや戦略に沿った形でDXを進められる点です。
外部の専門家やコンサルタントは一般的な知識を持っていますが、自社の業務内容や課題、組織の文化を詳細に理解しているわけではありません。そのため、自社特有の事情を踏まえ、適切なデジタル技術や改善策を選択できるよう、社内でDX人材を育てることが重要です。
組織全体の業務効率化を図れる
DXリテラシー研修を通じて、従業員がデジタル技術やデータ活用の知識を身につけることで、業務プロセスの見直しや自動化を実現できます。たとえば、プロジェクト管理ツールの使い方を習得することで、進捗管理や情報共有の時間を大幅に短縮することが可能です。
また、データの一元管理や共有が進むことで、部門間の連携がスムーズになり、意思決定も迅速化します。しかし、特定の社員だけがDXリテラシーを習得しても、組織全体で業務プロセスを見直したり、運営体制を改善したりすることは難しいです。
そのため、研修を実施する際は、できるだけ多くの社員が参加できるよう配慮しましょう。
おすすめのDXリテラシー研修3選

DXリテラシー研修を検討中の方は、次の3つの研修をチェックしてみてください。
- エーアイアカデミー「AI Academy Business」
- シナプス「DX人材育成プログラム」
- アガルート「DX・データ分析・活用研修」
リテラシー以外の幅広い内容を学べるDX研修を探している方は、こちらの記事もご覧ください。
関連記事:DX研修でおすすめの会社8選!プログラム内容や選び方を解説
エーアイアカデミー「AI Academy Business」
株式会社エーアイアカデミーは、オンラインAI研修サービス「AI Academy Business」を提供しています。このサービスには「DXリテラシー入門編」という講座が用意されており、DXの概要や推進に向けて何から始めればよいかを学べます。
また、490以上の豊富なコンテンツが用意されているため、統計学の基礎やPythonを用いたデータ分析など、幅広いスキルを習得することが可能です。さらに、管理者向けの「進捗管理ダッシュボード」を活用すれば、受講者の学習状況やつまずきポイントを把握できます。
1度きりの研修ではなく、社員が必要なスキルを継続的に学べるプラットフォームとなっているため、着実にDXリテラシーを向上させたい企業におすすめです。
シナプス「DX人材育成プログラム」
株式会社シナプスでは、企業ごとの目標に合わせた研修「DX人材育成プログラム」を提供しています。この研修では、まずヒアリングを行い、必要なスキルを明確化したうえで適切な研修プログラムを設計します。
DX化に欠かせないデータサイエンスやAI、システム設計について学べるため、自社に必要なスキルを効率よく習得できるのが特徴です。また、ITスキルだけでなく、論理的思考力やビジネス分析スキルなど、事業変革の視点も身につけられます。
DX推進にはビジネスリテラシーやマネジメントリテラシーが不可欠なので、商品開発や新規事業に取り組みたい企業にもおすすめの研修です。
アガルート「DX・データ分析・活用研修」
株式会社アガルートでは、幅広いDX研修を提供しています。たとえば、DX推進担当者や経営者向けの「DXリテラシー研修」では、実践演習を通じてDXの本質や取り組み方を学べます。
また、Pythonや機械学習のスキルも習得できるため、研修後すぐに実務に応用することが可能です。さらに「生成AIリテラシー研修」では、AIの概念や生成AIの活用方法、法律に関する注意点などを学習できます。
ITリテラシー研修や新入社員向けのDX研修など、用途に応じた多彩なプログラムが揃っているため、必要なスキルを重点的に学びたい企業におすすめです。
まとめ
この記事では、おすすめのDXリテラシー研修3選や必要な7つのスキル、研修を実施するメリットについて解説しました。適切な研修を実施することで、社員1人ひとりがDX推進の基盤を構築し、組織全体の業務効率化を図ることが可能です。
また、DX人材を社内で育成することで、外部に頼らず自立してDXを推進できます。そのため、DX化を進めていきたい方は、この記事を参考にしながら自社に合った研修を実施してみてください。
どの研修を実施するか悩んでいる方には、エーアイアカデミーの研修サービス「AI Academy Business」がおすすめです。基礎数学やPython基本文法など、490を超えるコンテンツが用意されているため、自社に必要なDXリテラシーを効率よく習得できます。また、法人向けの機能「進捗管理ダッシュボード」を活用することで、管理者は受講者の学習頻度や進捗具合をチェックすることが可能です。DXリテラシーの習得には継続的な学習が欠かせないので、社員1人ひとりに合った研修を実施したい場合は「AI Academy Business」を活用してみてください。